学校を卒業して就職をしたが、数年以内(およそ25歳まで)に転職活動を始める人のことを、一般的に「第二新卒」といいます。
新卒で入った会社を数年で辞めて他の職場に移る人の割合は以前と比べて一般的になり、厚生労働省が行なった調査によると、2013年卒で3年以内に離職した大卒の就職者は31.9%となりました。
また、企業側も積極的に第二新卒を採用するところが増えてきました。
リクナビNEXTの求人検索でこだわり検索に「第二新卒歓迎」を入れると分かるように、全体のおよそ半数の求人が第二新卒の人材に関心を持っています。
このページでは、第二新卒にあたる転職希望者が、どのような転職サイト・転職エージェントを利用すればいいか、またどのようなことをあらかじめ知っておいたほうがいいかについて、解説していきます。
もし手っ取り早くおすすめの転職サイトだけ知りたいという場合は、第二新卒に向いている転職サイトを比較表でまとめていますので、以下を参考にしてください。
エージェント系 | 主な利用者層 | 公開求人数 (各サイト求人検索より) (募集終了除く) |
得意分野・利用者特性・拠点 | 比較 詳細 |
---|---|---|---|---|
|
転職者全般 |
|
20代~40代
ハイキャリア20代~40代
スカウトメール
直接応募
企画・管理職も豊富
拠点:東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、岡山、広島、福岡
|
![]() |
ウズキャリ第二新卒 |
20代向け 第二新卒向け 既卒向け フリーター向け ニート向け |
20代向け500
|
20代専門
平均20時間以上の手厚いサポート
ブラック企業排除施策
未経験からIT系可
拠点:東京・名古屋・大阪・福岡
|
![]() |
|
やや若手向け |
10,400
|
20代~30代前半
30代後半~40代
拠点:東京、大阪、名古屋、札幌、横浜、福岡
|
![]() |
パソナキャリア | 転職者全般 |
38,200
年収UP率 67.1% |
20代~30代前半
30代後半~40代
ハイキャリア20代~40代
素早い対応
金融専門職も豊富
理系女子歓迎
拠点:東京、大阪、名古屋、横浜、静岡、広島、福岡
|
![]() |
ハタラクティブ![]() |
第二新卒 大学中退 |
非公開求人3,000件超 |
20代
未経験可豊富
面接対策好評
幅広い業界カバー
主なカウンセリング場所:渋谷、立川、池袋、秋葉原、船橋、横浜、大宮、大阪、名古屋、福岡
|
![]() |
いい就職ドットコム
![]() |
第二新卒向け 新卒向け 大学中退 留学帰国者 |
第二新卒向け5,300
|
20代
正社員求人
拠点:東京、大阪、名古屋、横浜
|
![]() |
直接応募系 | 求人の 豊富さ |
サービス・機能 (無料) | 得意分野・特徴 | 比較 詳細 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
こだ わり 条件 検索 |
自己 分析 診断 ツール |
検討 リスト |
検索 条件 保存 |
||||
|
![]() ![]() ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
20代~40代
限定求人豊富
スカウトメール
|
![]() |
|
![]() ![]() ![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
20代
30代
40代
スカウトメール
|
![]() |
【補足】@typeは利用者層に30代が多いため比較表では20代が「薄め(少なめ)」表示になっています。しかし、掲載求人の中でも「第二新卒歓迎」求人の割合が高いため、このページで紹介しています。
なお、大学や専門学校などを卒業して一度も就職をしなかったという人は、「正社員になりたい既卒・フリーター向け就職サイトの紹介」という記事がありますので、そちらをお読みください。
企業が第二新卒の転職者に期待していることとは
「もっとスキルアップしたい」「年収や待遇を改善したい」「仕事にやりがいを感じられるようになりたい」「今の会社だと将来が不安」「残業が多かったり休日が少ない」「同僚や上司とそりが合わない」
第二新卒者の退職理由としては、こういったことが転職の理由として多いようです。
つまり、第二新卒の転職者は新しい職場にこれらの悩みが解決することを望んでいます。
一方で、企業側はどのようなことを第二新卒の人に期待しているでしょうか。
それは次のようなものになります。
- すでにビジネスマナーやスキルを備えており、研修などの教育コストがかからない点
- 30代・40代と比べ柔軟な考えをすることができ、新しいことも抵抗なく覚えることができる点
- 独自の企業風土に染まっておらず、適応性が高い点
このことから、「ビジネスマナー」のほか「柔軟性」「適応力」などのポテンシャルの高さをしっかりとアピールすることが重要になります。
なお、第二新卒の採用では「即戦力」というものは比較的重視されていません。
もちろん最低限の知識やマナーは必要ではありますが、「専門的なことは入社してから覚えていってね」というスタンスの企業が多いです。そのために、「柔軟性」や「適応力」が期待されているわけでもあります。
企業が採用で重視している基準とは
また、各転職サイトの調査によると、第二新卒の採用にあたっては以下のようなことを重視するようです。
- 入社意欲の高さ
- 一緒に働ける人材かどうか
- 社内と合いそうな人柄かどうか
また、以上の点に次いで、次のようなことを期待している企業もあります。
- 志望動機
- 仕事に対する理解度の高さ
- 実行力
まとめると、「仕事に対するモチベーション」が高い人材が欲しい、そのうえで「志望動機が仕事とマッチしているか」という点を採用側は気にしているということは、気に留めておきたいところです。
また、人柄に対しても重視しており、一緒に働けそうか、職場に溶け込めそうかということも重要な要素の一つになります。
よく陥りやすい第二新卒の転職活動失敗例
次に、第二新卒の転職者が転職活動で失敗しやすいことについても確認しておきます。
志望動機が仕事内容とミスマッチを起こしている
まず、挙げられるのが「志望動機」と「仕事内容」のミスマッチです。
仕事は面倒なこと、大変なこともあります。それを乗り越えられると感じさせる志望動機がきちんと準備できているのか、きちんと話としてつなげられるかを再度確認しておきたいところです。
人柄が社風と合わなそうだと思われてしまう
「ああ、この会社には合わないな」
そう思われてしまった場合、どんなに立派な志望動機を用意していても採用される確率は低くなってしまいます。
虚勢を張る癖のある人は、少しそこに注意を向けてみてください。
人事担当者は多くの人を見てきているので、どれが本当でどれが嘘かを感じ取られているのかもしれません。
もちろん採用面接では少し話を盛って自分をよく見せようとすることはテクニックとしても有効です。
しかし、方法を間違えれば「すごいことを話しているんだけどどこか薄っぺらい」「浮足立ている」、そんな印象を与えてしまっているかもしれません。
「弱みも見せつつもそれを改善する努力をしていきたいという意思表示、そしてポテンシャルがあることのアピール」
それを具体的にストーリーとして準備しておくと、「一緒に働きやすそうだな」「モチベーションも柔軟性も高そうだな」と好印象を与えやすいです。
また、「柔軟性」という意味では、頑固そうな印象も与えたくありません。
先ほども書いたように、企業側が第二新卒に対して求めているのは「柔軟性の高さ」です。
「新しいことや慣れないこともどんどん覚えていきたい」
そういう態度を、転職活動中も入社後も心構えとして持っておきたいところです。
「この会社もすぐ辞められてしまうのでは」という心配を払拭しきれなかった
転職の面接で必ず聞かれると言ってもいいことの一つに「前職の退職理由」があります。
「退職の理由は?」
「なぜ転職しようと思ったのですか?」
「前(今)の会社のどのようなところが不満だったんですか?」
企業側は、採用した人がすぐに辞めてしまうことを恐れています。
そのため、以下の二点はしっかりと説明できる必要があります。
- 転職前の企業の退職理由
- この企業はその退職に当てはまらないか
たとえば、残業が厳しくて辞めたにもかかわらず、残業の多い会社の面接でそれを言ったら「長く続かないな」という印象は当然ながら持たれてしまいます。
また、前職の退職理由を改善できる企業であっても、志望動機が弱かったり事業に関心がなさそうだと思われてしまっても、「すぐに辞められてしまうかも」と思われる可能性が高くなります。
人事担当者が気にしているこの不安に対して、事前に安心させることができる理由を準備しておくことが大切です。
第二新卒向け転職サイト・転職エージェントの紹介
続いて、第二新卒向けの転職サイト・転職エージェントを紹介していきます。
どちらも無料で利用することができますが、簡単にエージェントとそうでないものの違いを軽く説明しておきます。
転職エージェントはどんなサービスか
まず、転職エージェントは企業と転職者との間を取り持つサービスです。企業からは求める人材像を聞き、転職者からは求める企業像を聞きます。そのうえで、両者の希望が一致しているところを繋げる役割を持っています。
企業からすれば、求めてもいない人材に対して一人ずつ対応する手間を省くことができ、転職者からすればあらゆる「転職サポート」が受けられる点がメリットとなります。
転職サポートとは、「キャリアカウンセリング(面談)」や「面接対策」、「応募書類の添削」や「面接日程の調整」などが、おもに挙げられます。また、待遇面の交渉もしやすいのも特長です。
もし採用面接で落ちたとしても、どのような点が理由で採用に至らなかったについても尋ねることができ、次の企業面接に経験を活かしやすくもなります。
第二新卒において転職エージェントの利用は以下のような人におすすめです。
- どんな企業が自分に向いているのか相談したい(キャリアカウンセリング)
- 将来について相談したい(キャリアカウンセリング)
- そもそも転職するかどうかについても悩んでいて、アドバイスをもらいたい(キャリアカウンセリング)
- 自分のアピールポイントがどこなのか明確に分からない(面接対策)
- 面接の受け答えを相談したい(面接対策)
また、転職エージェントには企業名が伏せられている「非公開求人」と呼ばれる求人案件が多く集まっています。非公開の理由はさまざまですが、「有名企業なので応募が殺到されると困る」「ライバル企業に採用動向を知られたくない」などといった事情が背景にあります。
もちろん紹介段階では企業名も紹介してもらえます。
以下の図は転職エージェントの流れを示したものです。
第二新卒向け転職エージェント
doda
幅広い年齢層の求人が豊富な大手転職エージェント。最近は25歳~35歳の転職に力を入れているが、第二新卒についても多く取り扱っている
- 転職希望者と一対一でサポートを行なうキャリアアドバイザーの他、採用企業の人事担当と繋がりのある「採用プロジェクト担当」からもアドバイスがもらえる
- エージェントサービスの他、直接応募やスカウトサービスによる転職も可能
- 東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、岡山、広島、福岡に拠点(2018年12月現在)
【公式サイト】dodaはこちら
ウズキャリ第二新卒
第二新卒向けの転職エージェント(第二新卒でなくても20代であればサポート可能、既卒やフリーターも利用できる)
- ウズキャリを利用した求職者は内定率86%と高い(2018年12月時点)
- 就職後の企業定着率も93%超(2018年12月時点)
- 平均20時間というサポートの手厚さも魅力で、面接対策も1回あたり1時間半から2時間行っている
- 拠点は東京・大阪・名古屋・福岡(その周辺の府県でも対応可能)
【公式サイト】ウズキャリ第二新卒はこちら
マイナビエージェント
若手の求人が比較的多い。大手企業求人も豊富
- 各企業の人事との繋がりの強さが魅力的で、面接での「なぜ辞めたのか」「やりがいのない仕事は続けられるか」などの第二新卒について回る質問にもどういった対策をすればいいかなどを熟知している
- 東京、大阪、名古屋、札幌、横浜、福岡に拠点(2018年12月現在)
【公式サイト】マイナビエージェントはこちら
ハタラクティブ
既卒向けのサービスのイメージが強いですが、第二新卒や20代の人向けにも求人紹介・転職サポートを行なっています。
利用者の4割以上が社会経験のない人、半分以上が最終学歴大卒以下
- 求人の80%が正社員未経験でも可。最短2週間
- 40種類以上の職種の求人があり、業界も幅広くカバーしている
- カウンセリング場所は渋谷、立川支店、池袋支店、秋葉原支店、船橋支店、横浜支店、大宮支店、大阪支店(2018年10月末現在)
相談申し込み後はフリーダイヤル(0120-979…で始まる番号)から連絡が来ます。
【公式サイト】ハタラクティブはこちら
いい就職ドットコム
第二新卒・新卒・既卒未就職者・留学帰国者向けに、正社員就職・転職支援を行なっている
- 登録者は20万人を超え、既卒・第二新卒向けではかなり規模が大きい
- 求人検索があるため、サイトからもどのような求人があるのか実際に確認できる。また、その求人が第二新卒向けかどうかは、色のついたタグが付いているため一目で分かる
- 個別相談場所となる「いい就職プラザ」は、東京、大阪、名古屋、横浜(2018年12月現在)
【公式サイト】第二新卒向け就職支援サイト「いい就職ドットコム」
エージェント以外(直接応募)の転職サイトは?
また、転職エージェント以外の転職サイトも存在します。
これらのサイトは、エージェントを介さずに公開求人へ応募する流れになり、面接対策や自己分析も自分で行なう必要があります。
求人数は転職エージェントに比べると少なくなりますが、自分の裁量で転職活動を進めたい人には向いています。
直接応募の転職サイトを活用するのに向いている人
エージェントでない直接応募型の転職サイトは、たとえば次のような人に向いています。
- 転職サポートが不要だと考えている人、自分だけで転職先を探したいという人
- 今すぐ転職活動をするわけではないが、条件の合う求人案件を通知などで受け取ることで求人転職の意識を高めておきたい人、いつでもすぐに動けるようにしておきたい人
第二新卒向け直接応募型転職サイト
リクナビNEXT
求人検索の「こだわり検索」に「第二新卒歓迎」という項目あり
- 直接応募の転職サイトの中では求人数最大級。ほかの求人サイトには掲載されていない独自求人が豊富
- 経歴を登録することで企業などから連絡が届く「オファーメール」機能がある。条件の合った転職者に自動で送られてくるものもあるが「プライベートオファー」は企業などが個別に送信しているもので利用価値が高い。また、自分の市場価値を知るうえでも役立つ
- 精度の高い自己分析ツール「グッドポイント診断」も利用可能
- 求人の検索条件は保存が可能で、保存した条件の新着求人も受信することができる
【公式サイト】リクナビNEXT
@type
このサイトも求人検索の「こだわり検索」に「第二新卒歓迎」という項目あり
- 求人数ではリクナビNEXTに劣るが業種問わず豊富な求人がある
- 「転職力診断テスト」「市場価値診断テスト」などの無料診断あり
- 転職ノウハウに関するコンテンツが豊富で、志望動機の書き方・例文や自己PR集、職務経歴書の例なども用意されている
【公式サイト】キャリア転職サイト@type
第二新卒が転職をするうえで利用しておきたいツールとノウハウ
期待の人物像になるのは表向きだけではまずい。まずは本当の適性・強みを知っておくことが大事
企業側が期待する人物像を面接で演じても、それが自分の本質と乖離していては、後々自分の首を絞めることになるかもしれません。
そのため、求人案件の応募する前に、今一度自分の強みや適性を知っておくことも大切です。
以下ツールや考え方を紹介します。
自分が周りから予想以上に評価されたものは、適性があるということ
まずは簡単な判断基準から紹介します。
人には何事にも向き不向きがあります。しかし、それは好き嫌いと一致するかというと、必ずしもそうとは限りません。
以下のような経験をしたことはあるでしょうか?
- あまり気の進まないことであっても、やってみたら意外と周りの反応が良かった
- 自分の好きなことで、かなり満足のいく成果を出せたと思ったが、周りの反応は思ったよりも芳しくなかった
この二つの場合、前者を仕事するといいと言われています。詳しい解説は「自分に合った仕事・職業・職種が分かる、意外で効果的な方法」ページをご覧ください。
また、こういったことを念頭に仕事を選ぶ場合、面接での志望動機や適性などのアピールも具体的なエピソードを交えることができます。
転職サイトの自己分析ツールで強みを客観的に理解できる
転職サイトの分析ツールも活用しがいがあります。
たとえば、リクナビNEXTは「グッドポイント診断」という自己分析診断ツールを無料で公開しています。
診断に30分程度かかる本格的なもので、「柔軟性」や「親密性」、「バランス」や「俊敏性」などの18種類の要素から、自分の強みがどこにあるのかを診断することができます。
グッドポイント診断はこちら
また、直接応募の転職サイトで転職する場合についても、求人検索のこだわり条件に「第二新卒歓迎」という項目があり、リクナビNEXTはおすすめです。
以上が、第二新卒の人におすすめな転職サイト・転職エージェントの紹介になります。
本サイトでは、さまざまな切り口で転職サイトの紹介をしています。女性、ハイクラス(エグゼクティブ層向け)、ITエンジニアやSE、派遣、薬剤師、20代、30代向けのコンテンツもあります。
また、幅広い転職者に向けて「おすすめの転職サイト紹介」や「転職サイトの比較・ランキング」のページも用意しています。ぜひご活用ください。
広告