「SEとして働いているけれど辞めたい」
そう考えているときに気になるのは、実際に転職した人がどのような仕事に就いているのか、どのようなキャリアアップを遂げているのかということです。
そこで今回は、実際にSEとして働いていて転職をした経験がある人から経験談を教えてもらいました。
ぜひ実際に転職をするときの参考にしてもらえればと思います。
転職を考えたきっかけとは
まず、転職を考えるようになった理由を教えてください。
Tさん(男性・30歳・東京・SE)私は自社システムの開発や保守を行なっていました。残業時間が月に100時間を超えることもあり、今後のことを考えると若いうちに転職してキャリアアップしたいと思ったからです。残業時間が多いことや管理職がプロジェクトを管理出来ていないこともあり、そういった不満を周囲からも耳にしていました。
Aさん(女性・38歳・愛媛・SE)医薬系システム開発に関わっていました。開発の仕事がやりたかったが、管理の仕事ばかりだったため転職を考えました。コンペ等で大企業には総合力で負け、中小企業には価格で負け、難しい立ち位置の会社でした。
Kさん(男性・39歳・東京・プログラマー/SE)メーカーに出向して、スマホ等のアプリケーションをプログラミングしていました。弱小企業だったため、メーカー直で仕事を受けることができず、多重請負となっていました。ピンハネが重なり実入りが少なかったことが、仕事を辞めたいと考えるようになったきっかけです。多重請負がばれないために、発注元の企業を名乗らなくてはならないことにジレンマを感じている人もいました。
Sさん(女性・34歳・北海道・SE)飲食業界のWebシステムの設計、開発、テストを行っていました。残業・休日出勤が多いことや、給料にみなし残業代が含まれていることを入社時まで聞いていなかったこと、入社前はWebデザインをやらせてもらえる話だったが実際はWebデザインの案件はなく開発業務ばかりであったこと、これらに不満を感じていたため、転職を決意しました。みなし残業代を含んでいることを知らない人が多かったので、同じような不満を抱いていました。また職場の上司の言葉遣いや振る舞いが怖いと感じている同僚がいました。
Mさん(女性・32歳・大阪・SE)システムの保守改修業務をしていました。トラブル対応時など基本的に残業時間が多い部署でした。休日出勤も月に1度していましたので、体力が持たないと思いました。
Nさん(女性・27歳・東京・SE)私は組み込み系ソフトウェアの開発・実装を主に行っておりました。同僚に比べ自分の仕事量が多いことにに不満を感じ、上司に相談したがあまり改善されなかったからです。
どの期間働いていて転職したかという質問には、Tさんが5年、Aさんが3年、Kさんが5年、Sさんが2年、Mさんが3年、Nさんが3年という返答でした。
転職の不安は?
転職に対する不安はどんなものがありましたか?
Tさんどうしても面接は平日になってしまいますから、働きながら面接までおこなうことの時間調整の難しさに不安がありました。また転職先も面接時に色々と聞きますがそこで聞いたことが全てではないので、本当に今の職場よりも良くなるかどうか分からないことが不安でした。
Aさん単純に新しい仕事が見つかるかどうかが不安でした。
Kさん給料が下がるのではないか、転職前より環境が悪くなるのではないかという不安はありました。
Sさん(SE以外の仕事をしたいと思っていたので)30歳を過ぎて別の職種に転職できるかどうかが不安でした。
Mさん実務経験が浅いので次の職場が決まるのか、収入が減少するのではないかいという不安がありました。
Nさん前職と同じ、またはもっと悪い職場環境だったらどうしようという不安がありました。
転職先は?
どのような企業に転職しましたか? また、その企業に勤めようと思った決め手についても教えてください。
Tさん人材サービスの仕事をおこなっている会社の社内SEとなり、社内の情報システムを管理するようになりました。自分の経験を活かしつつ労働環境が圧倒的に良くなるからです。
Aさん同じ
システムエンジニアです。もう少し規模の小さい会社でなら、開発業務ができると思ったからです。私の周りで同様に転職した人は、調理師やカード会社、保育士や同業他社などまったく別の仕事に就いた人もいましたね。
Kさん職種は同じですが、メーカーに勤めることができました。ソフトウェア業界はヒエラルキーがすごいので、その頂点であるメーカーに勤めるチャンスを得ることができました。
SさんWebデザイン・マークアップなどWeb制作の仕事に就きました。Webデザインをやってみたいと職業訓練校に行き学んだので、活かした職に就きたいと思っていました。
Mさん社内SEです。残業時間も少なく、社内の福利厚生もしっかりしていたからです。
Nさん在宅ワークや写真を販売する仕事に就きました。やはり、職場環境が不安だったので、自分のペースで行える仕事を選びました。
どの方も、待遇や環境の改善を重視しているようでした。その結果、社内SEができる会社を選んだり、別の仕事に就く人もいるようでした。
企業面接での自己PRや志望動機は?
企業面接ではどのように自分の強みを伝えましたか? また、志望動機はどのようなことをお話ししましたか?
Tさん今までの経験と残業時間が多かったのでタフさをアピールしました。SEの経験を活かしてもっと人と接しながらシステム周りの改善やサポートおこなって社内貢献したいことを伝えました。
Aさん責任感のあるところや資格、前の企業での経験をお話ししました。また、大企業では下請けの人に作らせるばかりで技術力が身につかないと思い転職したいと伝えました。
Kさん今までやってきたことをアピールしただけです。特にこれと言って押した点はありません。請負ソフト業界は数ヶ月ごとにメーカーを転々とすることになり、製品に対して愛着を持つことが難しく、保守まで面倒を見ることができるメーカーで勤めたいということを伝えました。
Sさんシステムエンジニアで培ったWeb技術や最後までやり遂げるところなどの長所をアピールしました。システムエンジニアをやっていたころに、Webデザイナーと一緒に仕事をしてやってみたいと思ったというきっかけから、Web制作に対する熱意を話しました。
Mさん今までの業務経験について説明し、業務を計画通り行うよう努力したことや資格取得したことをアピールしました。システムの保守をしていると知識が担当システムに絞られてしまうので、スキルアップをしたいと思ったということも話しました。
Nさん私は在宅ワークなので面接は行いませんでした。
やはり、いままでの積み重ねた知識・ノウハウや苦境を乗り越えた経験をしっかりと伝えることが重要なようです。
転職活動で印象的だったことは?
転職活動をしているうえで、印象的だったことを教えてください。
Tさんエージェントが意外とちゃんとこちらの話を聞いてくれて、キャリアアドバイスをしてくれたり、何社かで迷った時には的確に情報をくれたことです。
Aさん一般事務への転職も考えて求人票を見たが、あまりにも給料が安くてとても食べていけないと思いました。12、3万の求人がたくさんありました。あと、はじめに受けた会社にあっさり内定をもらったのであっけなかったです。
Kさん最初の転職は無職の状態で行なったのですが、在職しながらの転職は、変なプレッシャーを感じることがなくて良いです。
Sさん面接は素直に本音を話すことが良いと思いました。エージェントで面接の練習をしましたが、特に問題ないと言われ、自信をもって臨めたと思います。
Mさん業務経験も浅かったのですぐに採用してもらえないと思い、時間をかけて転職活動をしました。その結果、1社目に採用を頂いたところはお断りをし、2社目に採用を頂いたところに就職しました。結果、より良い条件の会社に巡り会えたので、転職活動は焦ってはいけないと思いました。
Nさん前職の給料が良かったと再認識したことです。ですが、戻りたいとは思いませんでした。
転職をして良かったこと・良くなかったこととは
転職をして良かったと思ったこと、逆にイマイチだと感じたことがあれば教えてください。
Tさん残業時間が減ったので週末は休めますし、平日も家に帰って自分の時間を持てることは良かったです。意外と同僚たちとの交流が多く飲み会などが多いことは少し大変です。
Aさん社食がない、有休が使いにくい、まとまった休暇を取りづらいなど福利厚生面には不満がありますが、希望通り開発の仕事ができたので、転職後にスキルが身につきました。自分に自信が付いてきて、仕事も楽しくなりました。
Kさん徹夜することがなくなった点です。有給がとりにくいこと、有給を取得するとボーナスの査定に影響することは少し残念です。
Sさんやりたい仕事ができたこと、そして残業がなくなったことが良かったです。イマイチな点を挙げるとすると、小さい会社だったので今までやらなかったお茶くみなど雑用係もやらないといけなくなったことです。
Mさん職場環境が大幅に改善されたので、休日などの自分の時間が増え、勉強時間やプライベートが充実しました。普段から残業時間がほとんどないので、少しのぐらい残業なら勤怠上では残業していないことにしています。本当は残業をつけたいのですが、仕事が出来ないと思われるのも嫌だからです。
Nさん(在宅ワークの仕事は)自分のペースで作業ができるので、ストレスがなくなりました。仕事を自分で探さなくてはならないのと、同じ仕事はいつでもあるわけではないので、不安定な部分は少しマイナスではあります。
残業以外にも、有給休暇の取りやすさも考慮して転職したほうが良さそうです。しかし、労働環境が改善されたという人も多いようです。
SEの転職についてのアドバイス
最後に、SEで働いていて転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
Tさん今は売り手市場ですからエージェントを使って焦らず条件を妥協しなくても見付かるはずなので、会社を辞めたいと思っているのであれば今がチャンスだと思います。
Aさん3年目で、まわりにやめる人が続出して流されてやめたくなったというところもあったけれど、日ごろから会社に持っていた不満が解消できる転職ができてとてもよかったです。今は売り手市場だというし、1つのところに勤めながら常に比較する気持ちを持っていたらいいと思います。
Kさん退職してからの転職はいいことがないと考えています。自分の不満に思うことを列挙し、それが実現しそうな企業へ転職を決めるのがいいです。逃げの転職では失敗します。
Sさん人間関係が嫌で辞めるのは、どの会社に居ても同じことなので、考え直したほうが良いかもしれません。なかなか初めは転職活動がうまくいかなくても、きっと合う会社が見つかると思います。自分がやりたい仕事に就くために前に進むのであれば、自信を持って臨んでください。
Mさんとにかく焦らないことです。IT業界は仕事内容や人材の入れ替わりが激しい所なので、転職する際は焦って決めてしまう場合もあると思います。しかし、入れ替わりが激しいからこそ、転職先の事をじっくり調べて自分に合っているか見極める時間が必要だと思います。
Nさんもし、考えているのであれば、身体や心を壊す前に転職する事をおすすめします。
現在SEの人はどんな転職サイトを利用すべき?
では、現在SEの人が転職する場合、どの転職サイトを利用すればいいでしょうか。
まず、すぐに転職するわけではないがいずれしたいという人は、
リクナビNEXTへの登録がおすすめです。
このサイトには自己分析ツールである「グッドポイント診断」があり、自分の見えていなかった強みなどを知ることが期待できます。
また、オファーメール機能を利用することで、どのような企業が自分に関心を向けているのか、自分の市場価値はどのくらいなのかを体感することができます。
サイトはこちら:
リクナビNEXT
SEからSEへ転職したい人向け転職サイト
すぐにでも転職活動を進めたいという人で、これまでの経験を活かした仕事に就きたいと考えている人は、IT系のキャリアアドバイザーが多くノウハウも豊富な以下の転職エージェントがおすすめです。
もっと見たい人はこちら:SE向けのおすすめ転職サイト一覧はこちら
SEからSE以外に転職したい人向け転職サイト
SE以外の仕事を考えている人は、以下の転職サイトがおすすめです。
もっと見たい人はこちら:おすすめの転職サイトまとめはこちら
(SEの転職体験談はクラウドソーシングサービスを利用して行ないました。協力してくださった方、ありがとうございました。)
Q今すぐ転職活動をしようと考えていますか? はい、そろそろ本格的に転職活動を考えていますいいえ、今すぐではなく、いずれ転職したいと考えてます |